ちぎり絵のような貼り絵のようなタッチが印象的な、せなけいこさんの絵本。主な作品に『めがねうさぎ』『おばけのてんぷら』など“めがねうさぎ”とおばけが登場するシリーズや、リズム感のある短い言葉で構成された赤ちゃん向けの絵本があります。
絵のかわいらしさもさることながら、夜更かししている子どもを、おばけがさらいにきて、空の彼方まで連れて飛んで行ってしまうという、ちょっとコワイ結末で終わる『ねないこ だれだ』など、ユニークな内容が特徴です。
こうした内容の本は、「しつけ絵本」といわれることもありますが、しつけのためというよりも、シュールでなんともいえない読後感が残るのが、大人にも支持されている秘密かもしれません。
ぼくもわたしも魚になっちゃう『あーん あーん』
我が家のお気に入りは、保育園に行く時にかあさんと別れるのが悲しくて泣く“ぼく”につられて、友だちもみんな泣き出してしまう『あーん あーん』。涙がどんどんたまって海のようになったら、「あらあら さかなに なっちゃった」。
でも先生からの電話で、バケツと網を持ったかあさんがやってきて、「ぼくを たすけて くれるでしょ」。
“ぼく”や“わたし”を、娘や保育園のお友達の名前に置き換えて呼んであげると、食い入るように絵本を見ます。魚になるところでは本人は意図していないのでしょうが、「うぉ~」といって喜びます。
「たとえ魚になっても、お母さんは必ず助けに行くよ」というメッセージが込められているということが理解できるのはまだでしょうが、親子で楽しめる素敵な絵本です。
